静岡県ヘリテージセンターSHECが昨年より立ち上げられた。
その地域にある歴史的な建物である、住んでいる人、使っている人、地域の人からも愛されている建築を、よりよく保全活用していき、まちづくりに活かしていくための建築士を中心とした活動である。
今年は国土交通省から委託業務として、災害が起きた時に、その地域にある歴史的建造物の復旧手法を提示する活動のためのマニュアルの整備と、特に大切なのは、平常時からできる建物所有者への建築やまちづくりに対する意識の向上を目指した活動を行っている。
静岡県建築士会の東部ブロックメンバーでは、伊豆地域に建つ旅館を調査し、耐震診断を進め、建て主の意識調査を行っている。

私は、6年前に箱根・太陽山荘の耐震及び防災改善のための改修工事を設計監理した。
50年前以上の建物が、今の建築基準法に合う訳はない。ただ、出来るだけ現行法規に近づけるように、各役所とも連携し、より良い耐震補強や防災計画ができてこないといけないと痛感した。
その時、これは個人の仕事というよりも、しっかりした組織が役所と建て主を結び、古い建物も活きながらも、安心で安全な、かつ伝統と可能性が同居する建築・まちづくりとなるようにしなければならないと思った。
今、まさに、静岡県ヘリテージセンターが立ち上がっている。

今日は静岡県ヘリテージセンターSHECがNHKのニュースで取り上げられるという事で、滝一級構造研究室に出向き、6年前の箱根太陽山荘の耐震シミュレーションを動画として撮影した。
NHKのニュースは
12月11日 7:45~ 8:00 中部地域のニュース
12月12日18:10~18:45 たっぷり静岡 で放映予定である。
11月25日施行による建築物の耐震診断義務化にともない、苦しめられている木造旅館等が多いことと思う。
ヘリテージマネージャーから、本当に大変なことではあるけれど、建築基準法の適用除外措置の声をあげていく必要性があると思う。