人気ブログランキング |

16年目の訪問

先日、長谷川アトリエ時代(大学を卒業して間もない時の担当)の「八王子の家」を所長である長谷川敬氏と共に、メンテナンスに訪ねた。当日は生憎の雨模様だった。
16年経って、その家の玄関ポーチに立った私は、「木の家ってこんなに綺麗なんだ」と素直に思えた。外部で塗装もしていない杉の垂木や軒天井は、黒く風化していたが、そんな些細な事は問題ではなくて、本当に綺麗だと思えたし、奥行きが感じられた。

d0067498_19483889.jpg
八王子の家<br clear=all>

玄関の洗い出しも綺麗で、内部の床や壁も綺麗だった。
外壁の白漆喰はクラックもなく、逆に落ち着いたアイボリーとなっている。
出来た当時は長谷川敬氏デザインの玄関ドアが生意気にも骨太に見えたが、16年経って見ると時間を重ねるとこんなにも良いのかを思えた。外部と内部の境界の建具は狂いやすい。
けれど、その様な狂いは感じさせないし、しかし閉じた空間にはしていない。木製建具のか弱さ部分と言うよりも、しなやかで何処か力強さもある。
それは家全体に言えることかもしれない。
木の家は「生きている。住む人と、自然と共に時間を過している。」と改めて思えた。

あ~、家も、人も、歳を重ねる度に味わいが増し、奥行きが出てくることが何故か愛おしく思える。自分自身もそんな時間の重ね方をして行きたい。

それにしても、何も出来なかった当時の私を暖かく見守ってくれた建主にも感謝しているし、
何よりも、当時毎日のように怒りながらも私を信用し、責任ある仕事を与えてくれた所長の長谷川氏に改めて感謝している。
# by atelieryou | 2005-10-05 20:13 | 木の家

梅雨の中休み

今日は梅雨の中休み
仕事も午前中の打ち合せが終わり、のどかな午後を楽しみたいと思いつつ、我が家の夏野菜たちの為に、これから日除け対策をしっかりして草取りとしなくてはなりません。
写真に載っている藁は、伯母から分けて頂いたものですが、最近では米の収穫を機械に頼る為に藁を畑に敷くことは珍しいです。

胡瓜と西瓜のウリウリコンビ
d0067498_13494771.jpgd0067498_1350372.jpg

本来日本の農業・暮らし全体がエコロジカルだったんだな~と一つ一つの事柄に触れるたびに改めて思います。お米も天日干しの方が美味しいし、藁も再利用でき、畑の草防止にもなり、朽ちた時も栄養を含んだ土に還る。循環しているし、どれもが生かされている。ただ、機械に頼れる部分が少ないから人の手間が掛かるのですが、そこをどう考えるのかが難しいのかも知れませんね。私は偶にする家庭菜園だから続くのでしょうが、職業として毎日で効率を考えると簡単な話ではないですが、それでもこれからのことを長く考えると、少し見る方向を変えると違う楽しみもあるのではないかと思っています。

都会の建主から教えられた土との対話
d0067498_145781.jpg網代の家

実は私も元々も家庭菜園を熱心にするようなタイプではなかったのです。私の住宅の設計監理の仕事で、都会に住む建主が伊豆に家をつくりましたが、その時に家に対しての要望として「どんな生活をしたいのか」と尋ねた所、家庭菜園を沢山つくりたいと話してくれました。ご夫婦共に都会的でセンスもよく、職業的にも農業をするとは想像もつきませんでした。けれど建主の奥さんから「土と対話すると不思議と心が落ち着くのよ。」と言われ、私にも勧められ、挑戦したのが切っ掛けです。これが運動とはまた違う働くことや育てることの喜びがあります。後、いかに上手く育てるかを考えるので、知恵も使います。これが面白いのです。
沢山収穫できるので、毎日どのように料理するかも考えるし、採れたばかりの野菜は新鮮で美味しい。そんな繰り返しの中で、細かな日常の雑音も気にならなくなります。
特に我が家の場合には、庭の見た目にも土地が草で覆われよりも気持ちが良いのです。

な~んて実は、真夏の熱い熱い日に、冷やしたスイカを自我自賛しながら、食べるのが楽しみなのです。

アトリエ結・高島ゆかり
# by atelieryou | 2005-06-18 14:51 | 菜園

書と篆刻

学生時代に、銀座・ポケットパークのパンフレットに載っていたものです。「木」と書かれたこの書が私は好きで、後生大事に取っておきました。この「木」の文字からは、木が持つ本来の生命力としなやかさと優しさが感じられます。「書」は、変化の少ない静的な空間を、緊張感のある動的な空間に再構成する芸術なのですね。


d0067498_182920.jpg
嘉家・美しい家
d0067498_1823223.jpg



この春、韓国に訪ねた時に偶々出逢った篆刻のartist 文丁 金泰完の作品です。篆刻も文字の様々な特性の中でも絵画的な造形性を極大化させ、字画と字画、線と線、点と点を自由に再構成して新しい造形文字を作り出し、空間を新たに配分させています。

書も篆刻も、通常の絵画とは異なり、文字の利用を優先する視覚芸術です。決して激しさがあるわけではない静的な文字の中に、言葉を超えて、国も超えて、その作者が伝えたかった何かを感じ取る事が出来ることを、改めて考えさせられます。
# by atelieryou | 2005-06-14 18:16 |

静岡・沼津で木造住宅を中心に設計監理しています。


by atelieryou
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る