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13年の経過

d0067498_0305038.jpg 今日は、私が独立してはじめて設計を依頼された西伊豆町(旧・賀茂村)の施主の奥さんと次女の娘さんが、我が家を訪ねてきてくれた。
当時、幼稚園の年少だった彼女も、高校2年生になったそうだ。子供の成長を早く、もう13年も経つという。

独立した当時は、打ち合わせも実家の座敷を借りて、和室での打ち合わせだった。
血縁、地縁、知り合いでもなく、ただ純粋に私が考えて書いたPLANを気に入ってくれ、まだ独立しての実績もない私を信頼して設計監理を委託してくれた。
本当に設計者冥利に尽きる。

この施主と話す度に、私は初心に戻れる。
よい家を作ろう。
素直な気持ちを持ち続けよう。
細く長くだが、これからも家づくりにも、人にも繋がっていきたい。
by atelieryou | 2011-07-28 00:43 | 住まい

無垢の木と漆喰の家

先月、日本漆喰協会の現地審査があった「伊豆大島・元町の家」が第6回の作品賞に選ばれた。
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外部の漆喰は塩害に強い。さらによいのは、室内に漆喰を使った時の室内環境に与える影響である。
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大島は「カラッと」した島のイメージがあるが、実際は本土よりかなり湿気の多く、先月、私が大島に行った際には、箱根や御殿場以上の霧の深さを体感した。以前、施主家族が住んでいた官舎も、かなり気をつけていても室内はすぐにカビが発生したという。
 しかし今は、外が濃霧でも、家の中は霧が晴れたように爽やかで清々しく、カビも発生していないそうだ。
施主家族が「本当に気持ちよい」と私に自慢してくれる。
省エネが要求されるこの夏に、清々しく、かつ夏らしい暮らしが出来ているそうだ。かつての日本にあった、より自然に近い、人間らしい住まい方なのだと思う。
by atelieryou | 2011-07-17 13:01 | 木の家

海辺の家(津波に対しての防御をどのように考えるか?)

 東日本大震災から四ヶ月が経った。津波の脅威、自然の力の大きさを改めて知った日である。
しかし、この震災も少しずつ人々の意識から薄れていくだろう。
ただし、駿河湾の沿岸部・沼津に住む私にとっては、建築とまちづくりの考えに大きな課題を投げ掛けてくれた。
特に木造住宅は、今回の津波の被害では、津波と共に、街を壊していく凶器になってしまった。
木造建築は沿岸部の建築としてはふさわしくないのか?何度も何度も考えたが、木造建築は海からの塩害には強い建築である。また湿気等にも調湿機能がある優れた建築で、人の生活する住宅としてはよりよい工法だと思う。
この四ヶ月の間、沼津・千本港町の家では、今だからこそ、逆に「本来、住宅はどうあるべきか」を私なりに考え抜いた。
できるだけ小さな家で豊かに暮らすこと。それは金額的にコストを抑えるという面もあるが、但し基本性能は損なわない地震の揺れに対してはしっかりと対応できる家。
大地震が起こり、大津波が来ると予測された時は「逃げることができる」
けれども、中規模な津波で被災した場合、修復可能な家にする。これは北茨城市の沿岸部の現地調査して考えたことである。
また、この家は、地震や津波以外にも、厳しい建築条件がある。周囲を建物で囲われ、その場所には陽の光が入りにくい。周囲の家はみな盛土してあり、地盤が高い。
設計者としてこの2ヶ月、考えに考え抜き、先週、自分自身が「これだ」と思えるプランが出来上がった。
施主も希望が詰まったプランになったようだ。
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自分で自分のことを褒めるのも手前味噌であるが、やはり建築は小さな住宅でも、設計者にしっかりと設計を依頼して家をつくるべきだと思う。
設計している時は、自分自身が納得いくまで設計するには、かなりというか、相当に苦しい。
でも、これだと思える設計に出会った時は、本当の意味でうれしい。20年以上、住宅設計一筋であっても、「その場所、その家族にあった家」を見出すことは簡単なことではない。

今回の地震の建築被災で、内地でも大きな問題となっている液状化の検討もした。
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ボーリング調査をお願いした地質調査のデータでは、震度6~7クラスの350galでの検討(静岡県構造指針の液状化検討終局限界検討用)では一応安全となった。今回の地震波の500galでの検討も念のためにしたいと思う。
被災地に行き思うのは、中規模な被災地域での建築の被災した大きな原因は、設計時、施工時の基本的な設計の検討をしないためである。
私達は、この震災の建築の教訓を生かして、多少の手間はかかっても、しっかりと設計したい。

HPにも、この家の設計の進捗状況を記していきたい。それが私自身にできる震災復興であると思う。
by atelieryou | 2011-07-11 23:23 | 住まい

静岡・沼津で木造住宅を中心に設計監理しています。


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