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宮城からの便り

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仙台に住み、実家が石巻にある先輩から、東北地方の産物が届いた。
本来は、こちらから送るべき支援であるが、逆にこちらが励まされてしまう。
同封されていた葉書は、石巻在住の書家で、千葉蒼玄の書である。
「地震にも津波にも、そしてこれから来るであろうどんな困難にも負けない”礎”を共に築きたい。」
これはどんな地域にも当てはまるし、どんな人にも当てはまる。
私が若い時に失敗したり、つまずいたりした時に、普段は怒ってばかりいる母が私に「人はよい時にその人の評価が決まるわけではなく、落ち込んだ時こそ、その先どのように生きていけるかで、その人の本当の力が試される」と諭してくれた。
実際、この度の東北地方のような災害で被災した立場で、自分自身がそのようなことを言えるか、自信はまったくないが、それでもこの礎のように、素直で柔軟でありながら、力強さのある心を持てるようにしたい。
そんな家・建築を設計し、つくっていきたい。
by atelieryou | 2011-06-25 11:38 | 地域

ダッチオーブン

d0067498_18513538.jpg6月18日 伊豆大島から昼過ぎに熱海港についた、その足で富士宮の朝霧高原に「ふもとっぱら」で開催された東京農業大学のエクステンションの「地域活性の参加協働型講座」に飛び入り参加した。
都会に住む人が過疎の地域おこしに興味を持ち、その地域を応援してしていこう講座である。
生憎の雨で、富士山が見えなかったが、裾野が少し晴れて富士山の山肌が見えただけでも、皆さん、異様に感激していたし、他にも雨の中、何組もオートキャンプを楽しんでいた。

d0067498_1982647.jpg私はダッチオーブンをはじめて体験した。
普段はアウトドア的なことは家庭菜園以外はあまりしないけれど、楽しくかった。

ただ、その楽しさの影には見えない部分でのスタッフの労働の多さや、キャンプ場の管理者としての責任など考えさせれることが多く、設計者として、様々な人の立場を理解できるように体験、体感したい。

百聞は一見に如かずというが、たった4時間の体験でも感じることが多かった。
by atelieryou | 2011-06-19 19:20 | 地域

漆喰

d0067498_17591255.jpg6月17日、「伊豆大島の家」を、日本漆喰協会の人が現地調査してくれた。
伊豆大島は、塩害・強風・暴雨・湿気の多い島であり、建築的条件が厳しいが、内外共に本漆喰を使ってある。
三原山の影響からは島全体が湿気ていて、山の中腹では雨も降っていないのに一寸先が見えないほどの湿度の高さでありながら、この家の室内環境は、建主が「空気が違う」と自慢げに 話してくれたが、確かにさわやかで、湿気の多いこの時期でも木の床もサラッとして気持ちよい。
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日本漆喰協会の検査員の先生が、吹抜の壁を指差して「とてもきれいに施工できている」と褒めてくれた。
「下地には、ラスですね」と質問され、私は「ラスです。」と答えた。
「一般の人には解らないかも知れないけれど、やはりわずかな塗り厚の違いから生まれる深みがどうしてもほしくて、設計者として拘ってしまうのです。」
「それで正解なのですよ。自分たちプロは常にいろいろな壁を見ているので、一般の人には解らない差も表情を見ただけで解ってしまうのです。それに50年間はより快適な室内環境は保てます。」
ただし、外部壁で、隣地の間の谷になり、湿気が溜まりやすい箇所に、梅雨の時期にはカビが生えやすくなる。
建物になんら影響はないが、見た目上、気になる。協会の先生から、施主に対処方法を説明をしてもらった。


私は、改めて自然素材や伝統工法のよさを感じつつも、今の科学工業製品との表面的な差を考える。
そう思うと、施主の理解があってこそ、「ホンモノのよい家」が作り出せるのだと思う。
設計者の課題は尽きない。

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漆喰協会の検査員の先生を伊豆大島の宿泊先である「マシオ」まで送り、こちらの内部の漆喰壁も見させていただいた。
ここが伊豆大島なのかと思わせるほどのハイセンスな素敵なペンションであった。
メイン部分は職人さんが塗られた壁だそうだが、個室はオーナーが自ら工夫して塗り上げた漆喰であるそうだ。こちらも深みのある漆喰壁であった。
by atelieryou | 2011-06-18 23:49 | 住まい

6年経過した湖西の家&浜松エコハウス

6月12日の日曜日、沼津の施主を家族を連れて、6年経った湖西の家を訪ねた。
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 外部の左官の薩摩霧島壁の掻き落しの外壁に多少の雨シミはあったが、他の家と比べたら雲泥の差があるくらいきれいだった。
室内に関しては、床も飴色に変わり、砂漆喰もひび割れもなく、壁の色も完成した時よりも奥行きが出ていた。モザイクタイルが多く使われているが、これもきれいで、安心した。
住んでいる家族の日々の掃除の積み重ねから生まれるものである。楽しく素敵に暮らし、住んでくれている家を見るのは、設計者として本当にありがたい、うれしいことである。
前々からお互いに辛口のコメントを言い合う設計者仲間がこの家を見学すると、「奇を衒ったところがなく、さわやかな風が流れていくような、よい家だな~」と異口同音に褒めてくれた。
沼津の施主にも言われたのだが、建築家の作品的な部分は少ないが、「住みたい」と思う家だと話してくれた。
私も6年経って、改めてこの家の内部に入り、住宅建築設計の初心に戻れた気がする。

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帰りは、浜松市が建築・運営している「浜松エコハウス」を見学した。
断熱および建築的エコ技術などを見たが、設計者としてはすべてを鵜呑みにはできない。
偶々だったが、見学の案内を研修で会う人がしていたため、私はかなり突っ込んだ質問をした。彼はよく勉強していて、私が疑問だと感じる点を同じように思っていて、その上で自分ならばと・・・答えてくれた。
私も「私の設計ではこの仕様にしています」と話すと、周りにいた建築関係者の人達も「完璧ですね」と話してくれた。
それでも、彼も私も、「やはりケースバイケースで、その家にとって何が最適なのか?」を悩むと言い合った。
また現実問題として、建築・設備投資をした金額と実際の評価のバランス・費用対効果の問題もある。
それらもある程度解り、意義ある一日を過ごせた気がする。


それにしても浜松市という行政が主体となり、地場オリジナルのモデルルームを建設してくれることは、地元の設計事務所や工務店にとって「大きな力」となっていると思う。はっきりと見えないだろうが、市民の意識は少なからず違うものになると思う。

清々しさと勇気あふれる遠州の風が、世界の大企業に発展していく精神の基であると、西部地域の人達と接するたびに感じる。
by atelieryou | 2011-06-15 11:35 | 住まい

静岡・沼津で木造住宅を中心に設計監理しています。


by atelieryou
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