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東日本大震災と木の建築

3月26日、「新木場まつり」といって、材木関係者が木の建築について勉強する会が開かれた。午後の講演は、東京大学名誉教授の内田祥哉先生の「木造建築と建築法規」の変遷と今後の課題についてと、同じく東京大学名誉教授の坂本功先生の「地震と災害」について講演してくれた。坂本先生は、建築基準法の基をつくり出した先生で、今回の震災を見ての、坂本先生のタイムリーな意見には説得力があった。
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上記は、坂本先生が講演当日の朝に手書きで書いた木造の初期の固有周期図にもあるように、プレート境界地震は、木造を倒壊させる周期成分は小さかったと説明した。その上で、木造の耐震設計を考え直さなくてはならないか?の問には、多分、木造建築の基準は変わらないのではないかと答えてくれた。
 私の家は、海の近くにある。江戸時代から先祖代々住み続けてきた場所である。もしも東海大地震が起きた時は、北側の浮島地帯は液状化するだろうから、愛鷹山まで車ではいけない。逃げる場所がない。そう考えるとやはり地域の公共施設の重要性を改めて考える。建築と地域、地域のコミュニティーは一体のものだと改めて感じる。
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3月27日は、裾野の家の引き渡し後に、同じく裾野で3年前に引き渡した家にお邪魔した。3月15日の富士宮の地震で、同じ団地内の家の損傷はある。そのお宅は、家全体が変形した上、大きな吹抜のあるため構造的にはかなり不利な家ではあるが、外壁の塗壁にも損傷はなく、内部も少しだけボードジョイントが見える程度であり、建て主は本当に喜んでいた。設計者がしっかりと入った意義のひとつである。
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この家は完成後の今も、自分達で外構から家具に至るまで、家族のオリジナル作品をつくり上げている。3年間、殆ど休むことなく、時間がある限り、みんなで作っているそうだ。うれしそうに話す笑顔は、家全体に反映されている。
by atelieryou | 2011-03-28 16:56 | 設計

建築静岡

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 今日、裾野市役所に書類の提出に行ったら、担当者から「建築静岡を読んでいます。」と声を掛けていただき、その流れで少し話ができた。思いがけないところでの暖かい言葉は、やはりうれしい。
 2月中頃に、急遽、頼まれて書いた「地域貢献」の文章だが、この震災にあたり、私たち建築家は考えることが多い。
今回の建築静岡で書いたことは、元・設計事務所の所長や先輩・同僚の言葉の数々はある。
今も昔も、遠方にいても近くにいても、変わることなく、私のことを指導してくれる。本当にありがたく、大きな財産だと思う。
 今夜、沼津市の景観法についての説明があった。説明を聞きながら、単に建築のみでなく、総合的なまちづくり、地域づくりが、今後の課題だろうと改めて思った。
 
by atelieryou | 2011-03-23 23:19 | 静岡

東北地方太平洋沖地震

 友人からメールが届いた。
よいメールだったので、ブログに記します。

ニュースですべてを流された酒造会社の社長が
「歴史がここで途切れたんだ」と言っていた。
その通りだと思う。
しかしまた立ち上げていきたいとも言っていた。
新しい歴史をつくっていく、ということ。
人間は自然の猛威に成すすべもないけど、
しかし人間は新たな歴史をつくるために立ち上がっていくと思う。
そうしないといけない。そうしないと。。
by atelieryou | 2011-03-16 01:16 | 友人達

地震と地域、そして今後

この度、東日本大地震により、亡くなられた人たちのご冥福をお祈り申し上げます。また被災された皆さんおよび家族の人たちにも心よりお見舞い申し上げます。
 3月11日・静岡では地震の長い揺れに驚いたが、その後のTVでの報道を見るにつれ、地震の怖さ・津波の恐ろしさ・自然の力の大きさを改めて感じ、考えさせられた。私は、取り急ぎ、設計している家、設計を終えて、心配な物件に連絡した。自分自身の家も含めて、海に近い家には何度でも連絡し、無事を確認した。ただ、仙台にいる設計事務所時代の先輩には連絡はつかない。その先輩のご実家も石巻近くであるので、心配だと思います。
 TVでの映像を観ながら、建築に携わる者として、今後の都市のあり方、建築のあり方をどうようにするべきかを私なりに考え込んでいた。
地震の翌日であったが、三島であった建築士会の東部ブロックの講習会「景観まちづくりを担う建築士が、今、求められている!」に出たが、講演した静岡県景観整備機構の塩見寛さんから本当によい話が聞けた。
 「東海道53次」のうち、静岡県には22の宿場があり、そのうちの6宿場が津波や高波により、宿場ごと移動しているのだという。「吉原」や「原」も、元の宿場から、街が移動している。確かに地名と現在の場所を見比べると、過去に何が起ったかが読み取れる。そして先人達は、災害にあってから宿場の機能を2~3カ月で復帰させたそうだ。ただ明治以降、近代技術が発達し、それらのことを何処か忘れがちに都市をつくり上げてきた。
私たち、建築やまちづくりに関わる者は、今回の地震を通じて様々なことを考えないといけない。
 単に耐震とかではなく、それらも含めて、防災・福祉・交通なども当たり前の普段のまちの生活を含めて、総合的に考える必要がある。それが人の知恵であり、建築士としての大きな役割の一つであるのだと講演してくれた。
また、「災害があっても、またその地域に住み続けたいと思う人はいる。だからこそ、地域ができ、街ができていくのだ。その時に、「地域」は一人ではできない。そこに住む一人一人の気持ちが集まり、力となって、地域をつくり、まちをつくっていく。」と話してくれた。
 今回の津波災害により「木造住宅は津波に弱い」と判断されてしまうだろう。また、私が住んでいる片浜も、ひとたび地震による津波がくれば、地域は呑み込まれてしまう。ただ私は講演を聞きながら、建築やまちづくりは一つの事柄、一面だけで判断してはいけないのだと改めて考えることができた。
 東北より遠くの地にいる私には、被災者の人達に今は何もしてあげられないが、この地震を通して個々が真剣に考えることを建築やまちづくりに活かしていきたい。
 仙台に住む先輩には、私は今でも建築的な倫理の話で問題があると、電話で相談をしている。その方が故郷の宮城に帰る時に「自分の名声よりも、故郷に帰り、自分の力を発揮したい」と話してくれた。「建築家の生き方そのものが建築に反映されるから、自分自身で納得がいくような生き方をしていくことが大切だと思っている」と・・・
今は、一人でも多くの人の命を救い出すことが優先にされるし、今後、地域が復興されるには困難なことが多くあるだろう。ただ遠くにいる私たちも、自分たち一人一人が出来ることをしっかりと考え、行動していくしかない。
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by atelieryou | 2011-03-13 15:59 | 環境

地域貢献

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3月5日は、静岡県建築士会の活動発表会が浜松市天竜区であり、二俣の街歩きをした。
天竜は製材所が多くあるため、何度も足を運んでいるが、ゆっくりと街を歩き、様々な発見があった。

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天竜二俣の良さは、歩いて何処へも行ける、便利なコンパクトシティーであること。建物もよく見ると、それぞれに個性があり、愛らしい。人々の笑顔がよいし、様々な食文化もあり、楽しい。

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小さな蔵の多い街であるが、一件一件ごとの蔵のデザインが豊かで、今の設計の参考になるようなアイディアも多く隠されている。
いつも見ていると気づかないことが、第三者の目を通すと新たな発見がある。
どんな街にも個性があり、良さがある。
気付かないのは、私たちの目なのかもしれない。
by atelieryou | 2011-03-09 00:42 | 地域

仲間

 先月は、静岡市の設計コンペに仲間と参加した。まだ公表はできなく、入賞というよりも、まずは自分のPC技術の知識のなさが最後には足を引っ張り、自分たちの満足できる仕上がりにはならなかった。
今後への反省は多々残るが、仲間と設計が有意義な時間であり、自分の設計の技術をより奥の深いものにすることを改めて感じた。
 仲間と言っても、みんな全国各地で設計事務所として独立した者で、その地域、地域で活躍している。
基本プランを元に、様々な意見を互いが出し合い、意見を出すことに設計の質がよくなっていく。もちろん、意図するところと違う場合は、ガンとして受け付けないこともあるが、それでもお互いに建設的な意見を出し続ける。結果、よい形になっていく。
 ただ、誰もが言うのは、基本的に住宅設計を日常の仕事としているから、マメなことも苦にならなく、大きくなっても丁寧にできるという。
 
 今日、箱根太陽山荘の耐震補強防災工事が、木の建築賞の「審査員特別賞」をいただいたことの連絡とお礼を関係者の人達にメールをしたら、次から次へと励ましのメールをいただいた。
特に、私の師匠である長谷川敬さんからのメールは心が熱くなった。
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太陽山荘の受賞おめでとう。
あのような地味な、しかも苦労の多い仕事が、そしてあの威張っていない、なんともいとおしくなるようなB級数奇屋のデザインをあなたが実にうまく残したことが、正しく評価されたことをほんとうにうれしくおもいます。
それもあのひどい構造を補強した上でのこと、ほんとうによくやったものだと思います。
どんなにほめられても過ぎる事はありません。
ほんとにおめでとう。僕もうれしいです。
長谷川 敬
by atelieryou | 2011-03-04 23:36 | 設計

静岡・沼津で木造住宅を中心に設計監理しています。


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