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起工式

d0067498_23232490.jpg9月11日は裾野の家の「起工式」だった。
日本の神道でいう「地鎮祭」、キリスト教では「起工式」という。
私をはじめ、工事関係者もキリスト教の起工式は、はじめてあり、何が起こるのか少々の不安と期待を抱きながら参加したのだったが、とてもよい式であった。
牧師先生が、建主にも、作る側の我々にとっても、「家をつくりあげる」ことの真意を改めてやさしく問うものであったからだ。


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「家をつくる」「いえをつくりあげていく」
住居学においては、一番の基本になることを、私たち設計者は、施主にも工事関係者にも常に説いていかなくてはならないが、打ち合わせのメインは機能、意匠、金額が主となり、本質がどうしてもおざなりになりがちである。
そのことを牧師先生は、工事が始めるこの期に説いてくれたのだ。
聖書の内容も、はじめて聞く者にとっては解りにくいが、その内容を解りやすく説明してくれた。
誰が聞いても解る言葉で語る。
参加者一人ひとりの心に響く、よい起工式だった。


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午後は富士市の広見公園内にある、稲垣家の調査を行う。
茅葺き屋根の養蚕農家、民家である。
家は単純なほど、きれいであり、民家は単純でありながら、その家の中に、様々な機能を持っている「働く家」である。
やはり民家は面白い。


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小屋裏の合掌つくりは、今、見てもきれいであり、面白く、何処かわくわく空間である。
by atelieryou | 2010-09-13 00:15 | 住まい

ふもとっぱら

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昨夜は、富士宮・朝霧で「ふもとっぱら」を主催する、林業家の竹川氏がアトリエを訪ねてきた。
竹川さんは、若い林業家と共に、森林を守り、木を育てながら、子供をはじめ、多くの方々に、木のよさ、自然のよさを伝えている。
この夏には、日本ジャンボリーで中国人の子供も含めて、900人の子供に林業体験をさせたそうだ。
子供の時に感じる様々な感覚や感性は、大きい。意義あることだと思う。


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また、私がこの一ヶ月間に見学した製材所の以前からの変化について、それぞれの意見を交わした。
現在、様々な制度や補助金があるが、やはり立場の違う方からの意見をいくと、納得できるものがある。
やはり、話し合うことは大切だと思う。





先日、静岡県優良木材制度が、事業仕分けに入ったと聞いた。
私は設計者として、「しずおか優良木材制度」は、政府が打ち出す「先導型長期優良住宅」の内容とはかなり異なり、地元材のよい家をつくることができるよい制度だと思っていたので、正直、残念である。
行政は、表面的な話ではなく、本質的な部分を掘り下げ、特に地方行政は地域に根ざした道を見出してほしい。
by atelieryou | 2010-09-09 13:10 | 環境

静岡県優良木材・富士ひのき加工協同組合の見学

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 今日は天竜に続き、施主と富士ひのき加工協同組合の見学をした。
私は、4年ぶりの見学であり、はじめは正直、何度も見ているからよいと思っていた。
しかし、見学して気づいたのだが、富士ひのきは確実に進歩し、人的努力で質が向上していることを実感できた。


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富士ひのきは低温乾燥で、かつ木材の強度などが選別できることは強みである。
そこに人の手が入り、さらに細かい選別ができている。


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これは作業の途中で、作業員が一回一回そのデータを入力しているのだが、簡単そうで手間が掛かる、長期的な仕事である。
私は、木造建築にかかわり、20年以上の経験の中で思うことは、木を使うことは、「人が木を気を使って見ること」が大切だと思っている。
木の性格を一本一本読み取る。それは、リーズナブルで、気持ちよく、エコな家をつくる第一歩である。


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今年の暑い夏を過ごして思うことは、やはり森林の活用は地球温暖化を食い止めるための大きな力だと思う。
しかし、日本の山が海外に替われたり、乱伐されること、環境問題とはイコールにはならない。
地域が活性化し、そこに人が育ち、さらに地域環境がよくなることが、地味ことだが、理想形ではないだろうか?


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製材から出てくるチップを見ながら、私たちはバイオマスなど、地球環境に向けて、住宅等でも取り入れることのできるエネルギーはたくさんあると思った。
太陽光発電もその一つである。他にもパッシブな方法で、改善できる建築技術はたくさんあるので、できるだけ建築の設計に生かしたい。


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終わり際に、協同組合の方から質問をされた。
「この暑さでも、できるだけ扇風機で暮らす家にするためには真壁の家がよいのですか?」と・・・・
「それは、真壁、大壁の差ではなく、仕上げや内部構造によるのですよ。」と答えた。

暑い夏でも、できるだけ扇風機で過ごせる家。
この暑さでも、私の設計した家の施主の方は、一日数時間しかクーラーをつけることはないという。
さらに、親戚の子供が、その家が気持ちよくて、わざわざ夏の暑い日に昼寝を楽しみに来るという。
ホームページで公開しなくてはならない話だ。
by atelieryou | 2010-09-05 23:02

酒田・金山・新潟

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山形県・庄内町に、お寺の改修の工事の相談を兼ねて、8月28~30日の3日間、小旅行を楽しんだ。
山形県でも日本海に面した、鶴岡・酒田へは、新潟経由で羽越本線に乗り、半日を掛けての長旅だ。
「特急いなほ」は特急と言っても、東海道本線の普通電車とあまり変わらないスピードで走る。
新潟平野・庄内平野は、今、まさに、稲穂が金色に輝き、頭を垂れ始めている。稲刈はもうすぐだろう。

宿泊した酒田には、有名な山居倉庫がある。
手前の2件は、地域の物産を集めた土産物屋であるが、奥の蔵は今も現役だと聞く。
日本海の北前船は今でも航行しており、この庄内・新潟で採れた米を全国に運んでいる。



 工事の打ち合わせをしていただいた金内工務店の方々は、遠方からも工事をお願いする理由がわかる。
建設的な話合いが出来、大工技術もあり、加えて人柄も良い方であった。
私は、遠路はるばる酒田まで足を運んだ甲斐があったと思っているし、逆に自分自身が恥ずかしくないように佳い仕事をしなければと言う気持ちにさせて頂いた。
 ちなみに酒田は「おくりびと」のロケ地でもある。


d0067498_0152547.jpg 29日の日曜日は、山形の内地に位置する金山町に向かった。2002年に、金山町の町づくり+一連の建築に対して建築学会賞が送られている。また、今年の6月に、国土交通省のまちづくり大賞・金賞にも輝いた。函館・横浜などの有名都市を抑えての、倉敷市と並ぶ金賞である。
多くの方が知らない町が、町の方々の努力により、評価されることは、地方都市のあり方を教えてくれている。
道の面した建築は、かつての町並みにあわせるように、各自が建物のファサードを直している。

d0067498_021993.jpg 町のあちらこちらには、町の特色を生かした公園が多く点在する。写真の大堰は、夏場は鯉やフナが養殖されているが、冬は雪解け用の水路となり、季節に合わせた使い分けをしている、町民みんなのの水路である。
また、小学校には敢えて門がなく、公園と一体の小学校では、きっと町全体で子供達の成長を見守っていこうとする気持ちの表れている。。
今回は、金山町役場の森さんに、休みにも関わらず、暑い中1時間30分以上、丁寧に町を案内していただき、感謝している。(まち歩きの案内希望は、事前に役場に申し込むこと)
説明を聞きながらの見学は、より奥深いその町のよさを感じ取ることができた。
 
d0067498_0444355.jpg 酒田市土門拳記念館
建築・展示内容ともに、かつてからどうしても見学したかった美術館である。
設計は、ニューヨーク近代美術館新館の設計でも有名な谷口吉生の設計である。
土門拳の写真や書を主役にした、抑えた建築で、よい建築であった。


d0067498_0503366.jpg 更によかったのは、「古寺巡礼」で有名な土門拳の写真の数々である。
1000年以上も時間を経過した仏像たちが生きている。走っている。
その仏像が何かを言わんとしている。その力強さと優しさに、今の自分自身を反省する。
2回の脳出血の後も写真を撮り続け、書を書いていた。その生きる力、生き続ける底力を、感じる。
土門拳の日本文化を、日本を、多くの人に伝えようとする気持ちの持ち方あり方を、私たち、ものづくりをする者たちは忘れてはいけない。

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 帰りは、新潟で途中下車をして、新潟の町を少し歩いた。
日本海から受ける西日は強かった。そして熱かった。
by atelieryou | 2010-09-01 01:03 |

静岡・沼津で木造住宅を中心に設計監理しています。


by atelieryou
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